設立趣旨
古来より、一大消費地である都(みやこ)と、その消費を支えるための周辺地域として、関西地域にはさまざまな地場産業が発展してきました。たとえば、雅(みやび)をまとうための糸、いわゆる糸偏産業に端を発して今日に至っているコンバーティング関連企業も数多く点在しています。また、近年では光学系フィルムや各種のエレクトロニクスデバイスの集積地として注目を集めていたのも事実です。関西は、大・中・小、さまざまなコンバーターが発展してきた地でもあります。
しかし、グローバル経済という巨大な波は、卓越した技術の有無よりも、より安価な労働力の得られる国々へと、ものづくりの拠点を押しやろうとしています。いったい、この先日本には何が産業として残るのでしょうか。
日ごろ、ついつい「コンバーティング業界」と表現してしまいがちなのですが、厳密に言えば、コンバーティング業界なるものは存在していません。『コンバーティング』とは生産技術手法の1つのスタイルであり、各業界分野で用いられている製品づくりのための手法が、これに該当している、というだけのことです。ゆえに、手がける製品分野が異なれば、まったくの異業種となり、その交流は希薄です。
「実際のものづくりの現場で手を汚していかなければ、日本に、ものづくりのノウハウなんて残りはしない」。そんな危惧を常々抱いていらっしゃった大阪府立大学名誉教授吉田弘之氏を本研究会の会長(初代会長)に、自らも大学発のベンチャー企業で『コンバーティング』の世界を実践された大阪市立大学工学研究科・中山 弘教授を副会長職(その後第2代会長に)に戴き、一般社団法人大阪府産業支援型NPO協議会 原田和夫氏をはじめ、関係機関・企業の有志の方々のご協力を得て、2013年、関西コンバーティングものづくり研究会が発足しました。年4回の研究活動と、プラスαのイベントを開催していく予定です。
互いに異業種の存在に陥りがちなコンバーティングに携わる企業や人々に、「人」と「技術」と「知恵(情報)」を有機的なネットワークへと結びつける場を、本研究会を通じて提供していく予定です。
是非、別項に掲げた規約をお読みいただき、本会への入会をいただきますようお願い申し上げます。